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セルフビルドを目指せ・その2 2016年8月
新事務所のリノベーション
2015年、20数年過ごした高松市の小社事務所を丸亀市に移転しました。そのころ行っていた丸亀城下町の町家と町並み調査で知り合った方から、所有する建物を使えないかとの相談があり、数棟の建物を見せて頂いている中で、ここで紹介する昭和28年に建てられた木造の倉庫を事務所用に借りることになりました。
所有者はある程度の収益も期待し、負担はできるだけ小さくすることが条件です。借りる側は、家賃はできるだけ安く、自分が思うように使いたい。借用後も継続的に自由に手を入れていきたいと考えていました。
そこで借用の条件は、所有者は改修費の一部を負担するが、修理費用と維持管理費は全て借用者が負担し責任を負うことにしました。賃貸契約は専門の不動産事業者にお願いしました。工事は、水道と電気、技術が必要な内装などは専門技術者にお願いしながら、自分でできることは出来るだけ自分ですることにしました。
2016年12月に神戸市で開催の水谷ゼミナールで報告した資料を使って工事概要を紹介します。
所有者との出会い
時間を経た建物の価値を生かす
建物の位置
建物は丸亀城下町に至る金比羅街道の中府口(城下町への入り口)の近くに位置します。金比羅街道から一筋入った路地にありますが、古くから賑わった地区であり、昭和40年ころまで周辺には多くの店舗や事業所があった場所です。
関係者への聞き取りから、昭和20年代に和歌山県から棕櫚ロープを販売する会社がここに拠点を置き、丸亀港に商品を荷揚げし、この倉庫から中四国一円に販売していたとのことが分かりました。
改修前
計画平面図
図面は計画図です。事務所部分は元は倉庫だったところ、倉庫は元事務所だったところです。
掃除・解体
下水道工事
便所の改修
ここからの改修工事は、家具づくりの知人に手伝ってもらい作業は二人になります。
土間コンクリート施工
入り口と床下地工事
床工事
電気工事
内装完成
樋工事
事務所開業
8月、賃貸契約と保険契約を終えて、やっと引っ越ししました。
工事費用
工事費用は、自分の人件費を除いて約130万円でした。うち電気と給排水工事が約48万円です。自分の人件費を約70万円とすれば総工費の原価は約200万円、経費を40%程度と考えると、請負をお願いすれば約300万円の工事費と考えることが出来ます。なお、エアコンや後から施工した窓の木製建具は含まれていません。