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セルフビルドを目指せ・その1

剥落した土壁と屋根瓦を修理 2015.07.01

自分の家は自分で直せるようにしておく、こんな考え方で住宅を設計しています。
訓練しても、アマチュアの自分が出来ることには限界があるので、
自分でどこまでできるのか、専門の職人さんには何を頼めばいいのかを考える材料になればいいなと思い「セルフビルドを目指せ!」の報告をスタートします。
 

築50年になる納屋の西に面する矢切と出角部の壁が剥落

一月前ほどから自宅の納屋の西側壁畳一枚分と矢切の壁が剥離して落ちそうになってました。建物の前面道路が通学路のため、急いで知り合いの左官さんに相談して修理することにしました。
準備できる費用が限られているため、修理の方法を左官さんに相談、左官一人が3人日で出来るところまでやる、ということで工事に着手・・・屋根に上がってみると、瓦も危ない状態になってました。
足場を最小限にして、左官さんには3日で仕事をお願いして、不足することは私が手伝うということで工事に着手しました。

2015.05.29
矢切は思っていた以上に痛んでいた

建物西面は雨風があたる最も痛みやすい場所なので壁土が水で劣化していないか気になっていたが、材料の劣化よりも当時の施工に問題がありそうだ。
矢切部分は漆喰の水切り部も割れていて、ここからも雨が侵入している。 

壁の剥離は20年前の改修工事が原因


西面にある出角部壁室内側には20年前に据えた流しがあるが、ちょうど改修部分外壁の厚さ2センチくらい)が落ちそうになっていた。
中塗用の市販の土を使い砂とワラを多めに加えて、落ちた部分を埋めるように塗り、10日ほど乾燥を待つ。

瓦の傷みも進んでいた・・


瓦は30年ほど前に一度葺き替えていたが、棟瓦が割れ桟瓦はズレている。のし瓦は過去の施工に問題があり水切れが不良で雨漏りの状況がわかる。

棟瓦も割れていた


30年でこんなに割れていた。のし瓦は水が切れるように下が出るように段々になっていない。水が浸入して、瓦を積むのに使う土への影響もあるだろう。

矢切の小舞、当時の仕事に問題あり


50年前の工事、見えない部分の手抜きが目立つ。棟木を受ける束はなく、竹小舞は目が粗くて緩すぎるため、新たに上から土を塗ることができない。木舞を撤去して編み直すことにした。

矢切の竹小舞を編み直すことに・・


ゆるゆるだった竹木舞を撤去してしっかりと編み直す。縦間渡し竹の数を増やして上下に釘止めする。これから横に割り竹を編んでいく。

2015.05.31
編み直した竹小舞に壁土を塗る


竹木舞がしっかりと編み直せたところで壁土を塗る。中には入れないので片面塗り。

荒壁を塗り、漆喰で水切りを直す


壁の塗り回数を減らすため、仕上げは厚塗りができる土佐漆喰にした。
同時に漆喰で水切りを塗っておき、次回の仕上げ塗りではこの上に重なるように土佐漆喰で仕上げる。

2015.06.13
壁仕上げ塗り(左官3日目の仕事)


荒壁塗りから2週間、乾燥したころをみて仕上げ塗りにかかる。

壁の仕上げ塗りが完成


壁は下地補修の上に土佐漆喰塗りを1回で仕上げる。塗ったばかりの土佐漆喰は淡いベージュ色をしている。日光を受けて時間がたつと白くなる。

屋根瓦を直す


棟瓦が割れたりズレたりで漏水している様子。固定するように漆喰で固める作業を行う。まずはマスキングテープを貼って、専用のシーラーを塗り漆喰がつきやすいようにする。

自分で塗る


今日は最終日、左官さんの時間がないので手伝うことになり、やっとセルフビルドの入り口に立つことができた。シーラーを塗って、材料も準備してくれているので作業はどんどん進む。

割れた他の箇所も直す


マスキングテープをはがして、棟瓦の割れた箇所を漆喰で埋めていく。雨切りのしの継ぎ目が空いているので、ここも漆喰を盛るように塗っていく。

瓦の補修が完成


桟瓦のズレも多く見られるが、今回の予算では無理なのであきらめる。とりあえずは大雨になっても何とか持ちこたえるだろう。

完成その後


完成後しばらくたって、黄色みを帯びていた壁の色は落ち着いてきた。
しっかりと押さえた矢切部分は壁の色の変化は遅い。あまり押さえていない壁はすぐに白くなった。右側の修理してない壁の汚れが目立つ。